―参加されたきっかけは何でしたか。
学校の友人に誘われたのがきっかけです。ホームページの本格的な会議の様子をみて、私も模擬国連大会に出場し、大使として会議に参加する経験をしてみたいと思いました。国際機関にはもともと興味があったので、この機会にいろいろ学びたいという思いから挑戦することに決めました。
―大会に向けた準備について教えてください。
フィリピンの大使として自分の国についてよく知るために、図書館やインターネットを利用しました。歴史や文化をはじめとした基本的知識だけでなく、現在抱える問題を広く調べるように努めました。そのうえで、フィリピンの抱える移民の問題を世界各国の力を借りてよい方向に持っていけるかを、実際の会議に向けて考えました。移民に関するセミナーやワークショップにも積極的に参加しました。法務省や元国連職員の方、異文化理解について研究されている教授など、様々な立場で世界の人の移動に関わる方のお話を伺うことができたことは、政策立案にも役立ちました。
―参加して良かったと思いますか。
勉強会やセミナーに参加して多くの方からお話を聞くことができたことは、移民の問題をはじめ、世界の様々な問題に目を向け、問題意識を持って考える良い機会であったと思います。各国で課題の多いとされる国際移住の問題に関して、自国あった政策と改善策を探していく過程で、国際問題をより身近な問題として捉えることができるようになりました。
模擬国連は意識の高い同年代の人との交流できる場だと思います。ディベートで鍛えた発言力や、英語での資料作成などの高い能力の人には多くの刺激を受けました。この大会を通して視野が広がり国際問題に対する意識も変わり、高校生でこのような経験をできたことは本当に良かったと思います。
―参加にあたり、苦労されたことはありますか。
初めての大会参加だったため、模擬国連のルールをはじめ政策立案や資料作成の方法といった、基本的なマニュアルを覚えるところからのスタートでした。過去に模擬国連に参加した先輩や知り合いもほとんどいなかったため、大会の進め方や雰囲気、事前資料の作成方法など事前準備にも手間取りました。手探り状態のまましばらくは、大会前に配布されたマニュアルと議題概説書を読み込むことくらいしかできませんでした。幸い実際に国連で働いていらした方から政策立案や文書の書き方のアドバイスをいただくことができ、なんとか本番前に一通りの準備を終えることができました。
大会当日は、「国際移住と開発」というテーマに即し、国ごとに抱える状況や問題がある中で、それぞれに利点があるようにまとめるのはとても難しいと感じました。お互いが協力し、助け合って話し合いを進めていくことで、最終的には皆が共通理解を持って同じ目標に向かうことができました。全力で話しあう中で仲間のような団結力が生まれ、達成感を味わうことができたことがとても印象に残っています。
―これから参加する高校生にメッセージをお願いします。
模擬国連に参加し、本当にたくさんの刺激と学びを得ることができました。私自身その時期には進路に少し迷いがあったのですが、模擬国連のメンバーにたくさんの刺激をもらい、目標であった医学部へ進学することができました。皆さんも模擬国連を通して自分自身の目標を明確にし、将来につなげていってもらえればいいなと思います。